「焼き鳥」と「やきとり」は違う
焼き鳥のイベントをしています
我々のイベントでは「焼き鳥ディナー会」というものを定期的に開催しています。いつも博多駅の近くにある「戦国焼鳥家康21号店」を使用させていただいており、もはや顔なじみになるくらいに通っています。
焼き鳥とやきとりは実は違う
前回、そもそも焼き鳥って何だろうという記事を書くために焼き鳥の歴史について調べていたところ「焼き鳥」と「やきとり」は違うということを知りました。漢字とひらがなで何が違うのでしょうか?
そもそも焼き鳥って何?
こちらの記事をご覧ください。
焼き鳥とやきとりの違い
「焼き鳥」と「やきとり」は以下の違いがあります。
焼き鳥:鳥肉(贓物も含む)にタレや塩で味付けをして炭火で炙り焼いたもの
やきとり:鳥だけでなく牛、豚などの動物の肉(贓物も含む)を串に刺して焼いた料理
やきとりの方がより包括的な意味合いを持つ言葉のようです。
でも結局は同じ?
とは言っても厳密に分かれているかというとそういうことでもないようで、地域や店によって鶏肉以外の肉な贓物を「焼き鳥」と表記しているところも多いようです。
なぜ豚肉や牛肉を焼いたものを焼き鳥というのかについてもこのあたりに答えがありそうですね。
なぜ漢字とひらがなに分かれたのか?
そもそもなんで漢字とひらがなに分かれるようになっていったのでしょうか?
戦後、鶏肉は高級品で一般市民は口にすることができないほどの高級食材でしたが、豚肉も今よりは高級な食材でした。そこで豚肉で通常は捨ててしまうような部位を串焼きにして一般市民に売りファしたのが始まりで当時は「やきとん」と言われていたそうです。
豚肉でもやきとり
しかし呼び方がしっくりこなかったことから「焼き鳥」にあやかってひらがなで「やきとり」と書くようになったと言われています。「やきとり」が豚肉や牛肉をひっくるめた包括的な意味合いを持つ言葉というのもここに理由があるようですね。
焼き鳥はなぜ焼き「鳥」なのか?
ここで漢字の焼き鳥についてですが、漢字の焼き鳥はなぜ焼き「鳥」と書くのでしょうか?
今でこそ焼き鳥に使う肉の主流といえば鶏肉ですが、ではなぜ「焼き鶏」と書かないのでしょうか?
焼き鳥の歴史は古く平安時代にはすでにあったようです。しかしそのときは鶏ではなく、スズメやうずら、鳩、キジ、鴨などの野鳥の肉を使うことが一般的でした。
また日本に仏教が入ってきて肉食をタブー視する時代も長く続いたので、農耕に役立つ牛や豚などの家畜や同じく家畜だった鶏も食べる習慣はなかったとされています。漢字に「鶏」が入らないのはこのような理由があるからでしょう。
鶏肉を使い始めたのは?
焼き鳥で鶏肉を使い始めたのは江戸時代に入ってからと言われていますが、当時鶏肉は高級食材で、戦後に大量飼育できる鶏が入ってくるまで一般市民はなかなか手の届かない代物だったそうです。
日本三大やきとり
北海道室蘭市、埼玉県東松山市、愛媛県今治市の3つが日本三大やきとりと呼ばれている街であり、がそう呼ばれています。
北海道室蘭市
豚肉と玉ねぎを串に刺して炭で焼いた後に甘いタレをつけて味付けをし、洋がらしをつけて食べるものを「やきとり」と呼びます。
埼玉県東松山市
豚の顔の肉(かしら肉)を炭火で焼き、ピリッと辛い味噌ダレでつけて食べるものを「やきとり」と呼んでいます。
愛媛県今治市
鶏肉を使いますが串に刺さないで、炭火ではなく直接鉄板の上で焼いて塩やタレなどで味付けしたものを「やきとり」と呼んでいます。
このような今治市の独特な調理法のやきとりは「今治焼き」とか「鉄板焼鳥」と呼ばれています。もちろん串に刺して焼いて食べる焼き鳥もあるそうです。
その他地域のやきとり
北海道の美唄町では鶏の様々な贓物を同じく串に刺して焼いたものを、九州地方では牛サガリ肉や馬肉などを串に刺したものを「やきとり」と呼んでいます。
まとめ
毎月焼き鳥をテーマにしたイベントをしていますが、調べてみると焼き鳥も奥が深くて勉強になりますね。
これを今度イベントがあった時に話してみたら、参加してくれた方々からどんな反応が返ってくるやら。